評価と治療
thumbnail

新人セラピストがベテランセラピストに負けない治療を提供する方法とは?

 あなたは担当セラピストとして何人ものクライアントを受け持っているだろう。

 そして、あなたはそのクライアント達にとって、「本当に自分で良いのか?」という疑問を抱いたことはないだろうか。

 ボクはある。

 ボクは小児領域の作業療法士だったから、その子どもの将来も考え、本当にボクが担当していて良いのか?と。

 しかし、その時ボクは考えを変え、今ではボクに担当されてあなたは幸せだねと思っている。これは怠慢ではなく、それだけクライアントの人生に責任を持って関わっているということだ。まぁ、それさえも怠慢と言われればそれまでだが。

 今回は、そのような悩みを持っているセラピストが、あなたの病院や施設に勤めるベテランセラピストにも負けない治療を提供する方法について書きたい。

技術や知識で負けているのは当たり前

 クライアントの身体に触れた数が多ければ多いほど、クライアントと話をした回数が多ければ多いほど、教科書や参考書、論文を読んだ数が多ければ多いほど知識も技術も高くなるのが当然だ。

 勘違いしないで欲しいが、量が多ければ多いほど知識や技術が上がるわけではない。

 その1つ1つにしっかり向き合い、知恵とする努力をするから向上するのだ。

 しかし、絶対量が少ない新人セラピストや学生はベテランセラピストに知識や技術が劣っているのは当たり前であり、この差を埋めることはできない。

治療は知識や技術だけで効果が決まるものではない

 知識や技術は必要である。だから、色んな講習会や研修会にどんどん参加すべきだし、色んな本や論文も読むべきだ。

 しかし、治療効果を高めるのはそれだけではない。

 新人セラピストがベテランセラピストに知識や技術で劣るのは仕方がないことであるのは先ほど述べたとおりだ。

 ボクはクライアントに対し、いかに真摯に対応し、クライアントの人生に責任を持つかどうかだと思っている。

 クライアントの人生をより良いものにする為に真剣に考えることだ。そのことにより、クライアントのNeedsを明確に抽出することができる。

 どれだけ優れた知識や技術があっても、クライアントの本当の望みを知らなければクライアントにとって有効ではない。

 クライアントの本当のNeedsを聞き出すのは、面接技術も大切だが、いかにクライアント視点になれるかどうかである。

 ボク達は多くの場合、他人の気持ちを推し量るために客観的に分析しようとする。しかし、それではクライアントの本当のNeedsはわからない。

 「やられて嫌な事は相手にもするな」という教訓があるが、ボクはこの教訓は間違っていると思っている。「相手がやられて喜ぶ事をやりましょう」が正しいのではないだろうか。

 ボク達はクライアントがやられて喜ぶことを知るために、クライアントになりきる必要がある。これは客観的に見ていてもできない芸当である。

 ボク達は誰かに何かをされた時の気持ち(例えば嬉しいとか不快とか)はわかっている。しかし、「自分」から見た「クライアント」がどう思っていることは分からない。(どれだけ頑張っても推察でしかない。)

 だから、ボク達はクライアント自身になりきる必要がある。クライアントになりきり、どこが痛くて、何が不便で、何をしたいか?をクライアントとして理解しようとする姿勢が重要なのだ。

 「滅私」という言葉があるが、まさにこれこそ新人セラピストがベテランセラピストにう負けない治療を提供する為の姿勢だと思う。

まとめ

 少し長くなったが、新人セラピストはベテランセラピストのような知識も技術も持ち合わせていない。

 しかし、そんなことはクライアントにとってはどうでもいい。新人セラピストだろうが、ベテランセラピストだろうが、自分にとってベストな治療を提供してくれるセラピストに当たることを望んでいるだろう。

 滅私でクライアントに当たれるセラピストは数少ないと思うが、これも訓練で獲得可能である。

 「自分」という枠を壊し、相手に入り込むイメージを持ってみて欲しい。

 相手の痛みを、自分の痛みとして捉え、相手の不便を自分の不便として捉えることからしか、クライアントの本当のNeedsは引き出せない。

 本当のNeedsを引き出せれば後はやるだけだ。その時に足りない知識があれば教科書や論文を読めばいいし、ベテランセラピストに相談すれば良い。

 所属先にベテランセラピストが居なければ、ベテランセラピストの講演や研修会に参加し、直接教えてもらえばいいだろう。

 まず、クライアントの人生に責任を持ち「滅私」という姿勢でクライアントを理解し、Needsを把握することが、治療効果を上げる為に重要なのである。

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします