評価と治療
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患者は理学療法士・作業療法士の前では悪くなるという特徴を理解して評価しよう

 あなたにも経験があるのではないだろうか。

 風邪をひいてしんどくなって、熱が出て喉が痛くなった事が。もちろんあるだろう。そして、病院へ行く。しかし、昨晩上がっていた熱も一晩経てばマシになっている。

 だが、病院へ行った手前、もう大丈夫ですとも言えず自分のしんどさをプレゼンする。笑

 誰しも少なからずこういう経験があると思う。

 人は自分のマイナス面を過剰に演出しプレゼンするという特徴があるのだ。

 境界型人格障害の患者などはその最たる例だが、診断は受けていない健康な人間でも多かれ少なかれ持ち合わせている特徴だ。

 今回は、人間のこういった特徴をリハビリテーションの現場に当てはめて考えてみたいと思う。

患者は嘘をつく

 『本気で英語を学ぼうと決めた作業療法士が始めたこと』で取り上げたアメリカのドラマ「Dr.House」は見ただろうか?

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 とても面白いのでオススメなのだが、この主人公である医師のHouseは診察が嫌いで有名な医者である。笑

 その設定からして面白いのだが、Houseが診察が嫌いな理由として名言を残している。

 「患者は嘘をつく」

 患者は嘘をつくから診察なんて無意味であり、検査結果や症状を元にしか診断しないのである。

 この例は極端だが、人には自分のマイナス面を過剰に演出しプレゼンするという特徴があるのだから、その通りなのである。

 患者は嘘をつくという前提で我々は評価しなければならない。

患者は嘘をつくという前提での評価

 では我々は評価する際、どのような事に注意すべきだろうか。

 例えば「痛み」に関してである。

 うちの整体サロンへ来るお客様にもいらっしゃるのだが、腰が痛い、背中が痛いとおっしゃる。

 しかし、その「痛み」に関しては大なり小なり様々であり、実際は痛みではないものまで痛みとしてプレゼンされる。

 はぁ。と溜息をつきたくなるが決してそんな態度は見せてはいけない。ボク達はそれを分かった上で評価するのだ。

 患者の言葉を鵜呑みにするのではなく、患者の言葉を分解して、その詳細を知る必要がある。

 また、とある動作に関してセラピストの前では下手糞になるというケースも想定できる。

 自分の障害について深刻になるシーンではできないと思っているが、何も考えずに普段の日常を観察していると何気にその動作をしていたりする。

 別に患者は嘘をつこうと思っているわけではないのだが、マイナス面に意識が向くとそういう事が起こってしまうのだ。

 だから、我々は患者の言葉と同時に家族や周囲の人間の話に耳を傾けなければならない。

 しかし、ここでもう1つ注意すべき点がある。患者は家族や周囲の人間にもマイナスのプレゼンを行っているから、周囲もできないと思っているケースがある。

 ボク達はそういうケースも想定して、日常の〇〇を観察しておいてください。実は何気にクリアしてるかもしれません。と具体例を出して伝えなければいけないのだ。

 そのケースを想定するためには、患者に「できないこと」を意識させる検査や測定だけでなく、「できること」を意識させる検査や測定も行わなければならない。

 できることに意識すると、できない事を忘れがちになってくれるからだ。人間の認知機能はありがたいことに1つの事にしか集中できないようになっている。

 できることをやってもらっている間に「できないと言っているができそうな事」も合わせて評価しておくと患者の嘘を見抜くことができるかもしれない。

まとめ

 あなたの担当患者にもいるだろう。自分のマイナス面ばかり意識して、障害をより重くしている人が…。

 しかし、それはあなたの責任でもある可能性がある。あなたが「できない事」に意識させるような関わりをしているからだ。

 ボク達は「できること」に目を向け、できないことから気を逸らさせる技術も必要かもしれない。

 そして、家族や周囲の人たちにも人間のそういう特徴を理解させ、関わり方を指導する方が良い例もあるだろう。

 そのような人間の特徴を知っていれば、あなたの評価能力は一段階上がり、更には治療効果にもいい影響がでるだろう。

 是非、ご自身とご自身の担当患者の状態を再確認して頂きたい。

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