雑記
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戦後70年の時代を生きる理学・作業療法士が知っておくべき事

 暑い。夏だ。真っ盛りだ。

 昨日は広島に原爆が投下されてから70年の日だった。明後日は長崎に投下されて70年となる。来週には終戦から70年を迎える。

 今年は戦後70年である。そしてボク達はその時代を生きているし、戦争中のことを知らない。

 1965年に理学療法士作業療法士法が制定されている。つまり、50年前だ。当時は受験資格の特例として「すでに病院や診療所などで理学療法を業として 5 年以上行っている者や講習会を受講した者」にも受験資格が与えられていた。

 だから、当時30歳の人が合格していたとするならば現在80歳になられている。

 その方は既に引退されてはいるが、当時の高卒ルーキーで国家資格に合格した人が居たとしても70歳オーバーである。

 日本には定年制があるからお勤めのセラピストは65歳以下の方ばかりだろう。

 つまり、今の時代を生きているセラピストは全員戦後生まれということである。更に現場で中核を担っている世代と言えば、親も戦後生まれという人が増えてきているはずだ。

 しかし、患者の多くは戦前生まれである。

 ボク達はセラピストとして、その背景を知っておくべきではないか?と思うのである。

 ボクが今まで担当した患者の中には、シベリアに抑留されていて帰国された方も居たし、満州から命からがら帰ってこられた方もいらっしゃった。

 そういう背景を持つ患者へのリハビリテーションを考える上で、ボク達は全く知らない戦争だったり、戦時中の世界背景を知っておくべきではないだろうか。

少し驚いた話

 昨日、ボクが現在担当しているクライアントから聞いた話に度肝を抜かれた。

 第二次世界大戦中、日本と同盟を組んでいた国は?と問われて、知らないとか、更には「え、アメリカ?」なんて答える若者が出てきているとのことだった。

 これには空いた口が塞がらなかった。

 唯一の被爆国で、敗戦後一度も戦争をせずに平和を守ってきた国の一員なのにも関わらず、そんな事も知らないのだ…。

 毎年この時期になると戦争関連の番組が特集で組まれたりする。

 今年は特に戦後70年ということで、安倍首相が戦後70年談話で何をどのように話すか?なども注目されている。

 また、安保法案関連で世間を賑わせているし、若者の某団体と某政治家がいざこざを起こしたりもしている。

 このような状況においても、「戦争」について知ろうとしない人が多いことは本当に問題だと思う。

セラピストが知っておくべき戦争の事

 セラピストは担当する患者を包括的に評価しなければならない。それがICFの概念だ。

 ICFの言葉で言うなら「個人因子」の部分だ。

 特に高齢の患者を対象としているセラピストは、その個人因子を評価する材料として戦争についても知っておかねければならないと思う。

 第2次世界対戦は何故起こったのか。その前後の時代背景とはどのような時代だったのか。

 戦後、日本はどのようにして経済大国となっていったのか。

 周辺諸国は日本をどのように捉えているのか?などなど、知っておかなければ患者を本当の意味で評価することはできない。

 脳卒中について知らなければ、その後遺症として現れる運動麻痺や感覚麻痺の評価ができないのと同様で、戦争のことを知らなければその人の生活歴を評価することはできないだろう。

オススメの書籍

 色々あるが、これだけ読んでおけば大体網羅できるというものを幾つか紹介したいと思う。

〔コミック版〕はだしのゲン 全10巻

〔コミック版〕はだしのゲン 全10巻

 マンガだから読みやすいだろう。原爆投下以降の日本がどうだったか?という部分を知るには良いと思う。

 残留孤児という言葉はご存知だろうか。残留孤児が何故生まれ、どのような生き方をされてきたかがよく分かる。

池上彰の戦争を考える

池上彰の戦争を考える

そうだったのか!現代史 (集英社文庫)

そうだったのか!現代史 (集英社文庫)

 言わずと知れた池上先生の著書です。この2冊を読んでおけばおおまかに戦争ってなんだったのか?が把握できるでしょう。

終戦のローレライ 上

終戦のローレライ 上

 もちろんフィクションがありながらの小説ですが、映画化もされて読み物としても面白いです。

大東亜戦争で日本はいかに世界を変えたか (ベスト新書)

大東亜戦争で日本はいかに世界を変えたか (ベスト新書)

 この本は読んでませんので、本来オススメすべきではないかもしれませんが、新しい本で目次や本の内容を見る限り、第2次世界対戦が起こった背景から、その後までが見えてくるように思います。

まとめ

 ボク達は患者の人生に介入する仕事をしているという自覚を持たなければならない。

 一言に障害と言っても多種多様であるのは、人々の人生が多種多様だからである。

 その多種多様な人生に介入する上で、戦争のことに限らず、ボク達は本当に様々な「事前情報」を持っておくべきなのだ。

 通常ボク達は事前情報を、転院前の病院からの情報だったり、基礎情報の事を言うが、それだけではない。それを理解するために必要な情報全般をさすのだ。

 患者の背景を知るための材料となる情報は常に仕入れるようにして頂きたいと思う。

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