雑記

今後の理学療法士・作業療法士業界の課題とは一体何なのか?

 ご存知の通り、我々が属する業界は山のように問題がある。

 治療に関する科学的根拠の薄さ、セラピストの数の問題、セラピストの質の問題、診療報酬や介護報酬の問題、給料の問題などなど。

 数え始めればキリがない。

 で、ボク達はどの課題にどのように取り組めばいいのか?ももはやよくわからない状態になっている。

 ボク達が抱える問題の本質とは何なのだろうか?

 今回は、そんなボク達が抱える問題と、その問題を解決するためにボク達が立ち向かうべき課題についてまとめたいと思う。

ボク達が抱える問題の本質とは?

 先ほど様々な問題を列挙したけれど、これらって本当に問題なのだろうか。そもそも問題ってなんだ?

 問題とは「問題意識」があるから問題なのであって、その意識がなければ問題にならない。

 恐らく、ルーティン的に治療をこなし、少ないながらも安定した給料があって、悠々と生きているセラピストには恐らく問題はないのだろう。

 些か低給料が不満であり、その問題をどうしたら良いかに悩んでいるくらいだろう。

 当ブログの検索ワードの上位には年収だとか給料といったワードが目につく。

 そういう自分のことしか考えられないセラピストが多いことが問題だと思うが…。苦笑

 そして、自分しか見られないセラピストより一歩上に居るのが患者や家族の事を考えるセラピストだ。

 彼らは当ブログに対して治療法や評価内容に関する検索ワードで見に来られる。例えば動作分析だったり、ボバース法だったりだ。

 彼らは自分のことではなく、患者をどうにかしたいと思っているのだと思う。素晴らしいことだが、患者の事を思うならボクのブログを読む前に多くの論文や書籍を読んだり、研修会に参加したりする方がよっぽど効率的である。笑 いや、これまじで。

 ボクは治療者という道には居ないので、そんなボクから学べることなんてごく僅かしか無い。

 患者に目を向けられているのは治療者としては合格である。治療者は患者のQOLの向上の為に徹することができる人の事を言うからだ。そして、彼らにとっての問題は有効な治療法が見つからないとか、効果が上がらないとか、エビデンスがないとか、そういう患者の為を思うがあまり出てくる問題だと思う。

 例えば、患者の人生に悲観しすぎて鬱を発症するなどということもあるならば、セラピストのメンタルヘルスも問題の1つかもしれない。

 しかし、ボクはこれらは表層的な問題だと思っている。

 もっと根が深く、これら問題を引き起こしている諸悪の根源的なものがあるのではないか?と考えているのだ。

 それは何か?

 理学療法士・作業療法士の社会的地位の低さ、認知度の低さではないだろうか。

 以前に『理学療法士・作業療法士が成長して社会的地位を上げる為に必要な知識とは?』というエントリーを書いたが、ボク達の社会的地位の低さが認知度の低さに繋がっているのだと思う。

 コンビニ店員や居酒屋店員という一個人の認知度など低いが、居酒屋という文化を根付かせた人やコンビニという文化を根付かせたその裏側には力のある財界人や政治家が動いているのだ。彼らの社会的地位により認知度が上がったのである。

社会的地位や認知度が低いことによる問題の波及

 我々の認知度や社会的地位が低いことが、業界のどのような問題点を引き起こしているだろうか。

 我々は認知度が低いおかげで「治療効果を上げられていない事」へのお咎めが少ないとボクは思う。

 病院側は規定の人数や、需要と供給のバランスに合わせて人数を揃え、診療報酬に応じて給料を設定し、大きな問題さえ起こさなければそれでいい。

 認定理学療法士や専門作業療法士などの制度もあるが、給料に反映するわけでも無ければ、病院や患者から必要とされるわけでもない。頑張っても評価されない世の中で頑張り続けられる人というのは稀である。

 仮に治療効果を上げていなくても、患者の側はそんなものと思うし、ましてや病院側は〇〇の治療技術は未熟だなんていう評価はしない。事故やヒヤリハットがなければしっかりやっているという評価になるだろう。

 治療効果を上げるセラピストもそうでないセラピストも、自己研鑚に励むセラピストもぬるま湯につかって出られないセラピストも同じ評価なのだ。

 つまり、セラピストを雇っている病院も、理学療法や作業療法を受けている患者もしっかりとセラピストを評価していないのだ。いや、そもそも評価の基準もない。つまりは、認知度が低いことから起こっている問題だと思う。

 認知度が低いから良し悪しの基準がわからない。認知度が低いから改善しようがない。

 このような状態だから、向上心あるセラピストもいつの間にかぬるま湯に浸かり、その活力を奪われていくのだ。

認知度が低いのは仕方ない面もある

 認知度が低いのは仕方ない面もある。何故なら、一般人は自分や家族がリハビリを受けるまでボク達の存在を知る必要がないからだ。

 病院側も需要と供給のバランスを整え、給与を調整していればセラピストに効果までは求めない。

 このような現状だから、認知度は広まらない。各協会は認知度を高める活動をしているものの、この10年での変化はボクには感じられない。

 では仕方ないで済ましていて良いのだろうか。

認知度の低さは我々の首を閉めることになる

 現状は何とかなっている。

 しかし、日本の現状を見直して欲しい。

 我々の診療報酬は年々下がり、理学療法士・作業療法士の給料は年々下がっている。

 ヤバイのは中堅以上の給料が少々高めのあなた方だ。病院はリハビリの効果を求めていない。安くて働く人材を求めている。つまり、新人の就職はまだまだ大丈夫だと思うが、給与が高いセラピストの転職は難しくなってくるだろう。

 また、医療費の高さが日本を経営する上でのボトルネックになっていることはご存知だろう。

 現在年間40億、2025年には70億円とも言われている。歳入が年間45億円だから、医療費でこの国は借金だらけになってしまうのだ。

 だとしたら、リハビリにかけられるお金は?

 脳卒中であれば6ヶ月までしか保険適応にならないだろう。慢性期は完全自費。支援費制度とかもどうなるやら。医療保険もゆくゆくは5割負担もありうるだろう。

 認知度の低さは、ゆくゆく間違いなく我々の首を閉めることになる。

 そのような状況を考えても、今立ち上がらないセラピストがいることにボクはびっくりする。

 まぁ、他のことで稼げるセラピストは良いが、そうではないセラピストは何としてでも自分たちの職を守らなければならない。

まとめ:理学療法士・作業療法士業界の課題とは

 色々話が長くなってしまったのでわかりにくくなったかもしれない。

 社会的地位の低さ、認知度の低さが、今目に見えている我々の問題点を作り出しているということはご理解頂いただろうか。

 で、社会的地位を高めるためにもボク達は力をつけなければならない。(参考エントリー:理学療法士・作業療法士が成長して社会的地位を上げる為に必要な知識とは?

 もちろん、現場レベルではエビデンスの集積が必須だ。どのようなエビデンスか?それは国家を動かすレベルのエビデンスだ。

 『理学療法や作業療法が医療費の削減に貢献している!』そんなエビデンスはどうだろう。ありうる話だ。リハビリのおかげで合併症が予防でき、社会復帰が促進されるとか、医療依存度が下がるとか、復職率が上がるとか、そういう社会にとってメリットのあるエビデンスを集積し、国に必要性を認めさせれば、必然的に我々に割り振られる予算は上がるのだ。

 現場とお上(今のところ協会かな)が両輪で我々が抱える課題に立ち向かわなければ近い将来、一部の能力のあるセラピストが病院から高給で雇われ、一部の能力あるセラピストが自費で富裕層の慢性期患者を担当するという構図が見えてくる。

 そして新人や能力のないセラピストは能力を高める場を失い、折角国家資格を手にしても、資格難民になっていくだろう。

 あなたはこのような未来を望んでいるのだろうか?いや、そんなはずはない。(と信じたい。)

 今自分がこの問題に対して出来ることを考えてみて欲しい。

 ボクは、予防分野へのセラピストの進出支援が自分にできることだと思っている。予防分野へセラピストが進出すれば間違いなく医療費は削減できる。そう信じて活動している。

 あなたはどうだろうか?

 少し時間をとって考えてみて欲しい。

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