卒後教育

理学療法士・作業療法士の為の印象に残る文章を書く技術

 ボク達は文章に囲まれていると言っても過言ではない。

 あなたも日々様々な媒体で様々な文章に触れているだろう。しかし、どうだろう。

 1日を終えた時に、あなたに残っている文章はどれだけだろうか。インプットした文字量と比較して記憶に残っている文字量はどの程度だろう。

 恐らく10%ほどではないだろうか。

 ボク達は文章の中で生きている。理由は文章が人を動かしているからだ。

 今回は人を動かすパワーを持つ印象に残る文章の書き方について書いてみたいと思う。

人は文章に動かされている

 そもそも文章とは何か。コトバンクさんでは以下のような解説がされていた。

  1. 文を連ねて、まとまった思想・感情を表現したもの。主に詩に対して、散文をいう。

  2. 文法で、文よりも大きな単位。一文だけのこともあるが、通常はいくつかの文が集まって、まとまった思想・話題を表現するもの。

  3. 威儀・容儀・文辞などとして、内にある徳の外面に現れたもの。

 思想や感情を表現したもの。主に文字で表現されたものを言うのであろうが、この定義に乗っかると音声情報も文章かもしれない。

 そう考えると我々はやはり文章の中で生活し、文章によって動かされている。

 分かりやすい例は「指示書」など命令・指示が書かれた文章だ。こういった文章は内容を問わず指示者−非指示者の関係があるから言うことを聞かざるを得ない。しかし、これも文章によって動かされている例だ。

 他にも広告の文章で買い物をし、パンフレットの文章で旅行先を決め、参考書を元に仕事したり文章によって動かされている。

 小説もそうだ。文章を読んで感動したり、起こったり、感情の変化があればそれは文章によって動かされていることになるだろう。

リハビリテーション業界における文章

 では、我々セラピストは仕事においてどのような文章を書くことがあるだろうか。

 「カルテ」「申し送り」「会議録」「発表資料」「ホームエクササイズの仕様書」「検査結果」「処方箋」などなど、仕事も文章によって動いている。

 この中でも指示者−非指示者の関係が明確な文章なら、文章力を磨く必要はない。その権力関係で動かすことも出来るからだ。

 しかし多職種への依頼だったり、他施設への申し送りだったり、患者や家族への文章にはそのような権力関係はない。相手はその文章を見て動いても動かなくても良い場合もある。

 あなたの文章通りに体位交換がしっかりされているだろうか?あなたの文章通りに病棟でのエクササイズはされているだろうか?あなたの文章通りにホームエクササイズはされているだろうか?

 我々は自分の文章に人を動かす力をまとわなければいけないのだ。

人を動かす文章とは?

 これに関しては、実はこれといった答えはない。

 しかし、あえて言うなら「相手の立場に立って、相手の必要な情報が書かれた文章」と言えるのではないかと個人的には思っている。

 つまり、「明確な誰か」について書かれた、その誰かにとって有益な情報であれば人は動くのだ。

 テレビが欲しい人にテレビ安売りの広告が効果的なように、欲しい人に欲しくなる情報を提供すれば人を動かすパワーを帯びるのである。

 そして、欲しい人に欲しくなる情報を提供するためには、我々は文章を渡される相手の立場を知らなければならない。

 その相手は何に悩んでいるのか?何に困っているのか?何にイライラしているのか?どのような欲求があるのか?などなど相手を知ることが、文章を書く際の第1ステップなのである。

人を動かす文章を書けるようになるために…

 人を動かす文章はどのようにできているだろうか。

 特徴はいくつもあるかもしれないが思いつく範囲で列挙してみる。

  • 簡潔である

  • 分かりやすい

  • 起こすべき行動が明確

  • 心地よい

 もちろん、この他にもテクニック的なものは山ほどある。「◯◯個限り」「今週いっぱい」などの限定性や不安を煽るなど色々ある。

 しかし、これらの文章には心地よさがない。我々は心地よさの無い状況から脱したくて行動する。だから、心地よさのない文章が特に広告では目立つし、その方が結果は出やすい。

 が、我々は違う。相手を心地よくさせて動かせた方が良い。あなたがもっと楽になる、あなたがもっと気持ちよくなる、あなたがもっと快適になる、あなたがもっとハッピーになる。そういう情報を提供して動かしたい。

 そして、このような文章が書けるようになるには…、練習しか無い。

 書いて書いて書きまくるのだ。もちろん最初は下手くそかもしれないが、徐々に上手になるものである。文章の届く相手を幸せにしたいという思いが強ければ、自ずと上手になるものだ。

 ボクの整体サロンブログは常にお客様のハッピーを考えて心地の良い文章を心掛けて書いているし、このブログはもっと幸せになりたい理学療法士・作業療法士の笑顔をイメージして書いている。

 文体は優しくないかもしれないが、それも厳しい中の優しさという感情を込めて書いているつもりだ。(※伝わっていなかったらごめんね。ボクの能力不足だ。)

 そして、取りあえず書く、出し惜しみせずに書く、簡潔にわかりやすく書く、明確に書く。これらを意識して書けばそれなりの文章が書けるようになるものだ。

まとめ

 ボクは文章を書くのが好きだ。いつから好きか?と言われれば分からないがいつからか好きだ。

 そして、最近では将来の夢を作家と応えるほどである。笑

 だが、印象に残る文章は必ず誰かを幸せにすると信じている。

 学会や研修会の発表や講師のレジュメは、印象に残らなければただのお金と時間の無駄遣いだが、印象に残れば自分たちとは関わりのないまだ見ぬ患者に文章を介してハッピーになるお手伝いをしていることにもなる。

 それくらいの思いをもって文章を作れば、必ずあなたの文章は良い物になっていくだろう。

 大切なことは『意識的に』文章を書くことだ。もちろん、相手のことを考えて、だ。

 あなたの文章が人を動かすパワーを帯びてくることを心から応援したいと思う。

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