心理・コミュニケーション
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理学療法士・作業療法士が患者の評価・治療の前に行うべきは信頼関係の構築だ!

 理学療法士・作業療法士の最も大切な資質とは何だろうか?

 色んな意見があるとは思うが、ボクは信頼関係の構築だと思っている。

 あまりに当たり前な意見かもしれないが、どれだけのセラピストが患者との信頼関係構築の為のプロセスを実行しているだろうか。

 ボクは意図的に信頼関係を築こうとしているセラピストは殆ど居ないのではないかと思っている。

 信頼関係無き所に治療効果なし!と言い切ってもいいのではないだろうか。

 これは、教員と生徒、スーパーバイザーと実習生という関係性にも当てはまる。生徒との信頼関係が築けない教員、実習生との信頼関係が築けないスーパーバイザーは共に教員、スーパーバイザーとしては能なしの烙印が押されると入っても過言ではない。(※が、権力でその烙印を免れているが…。)

 患者との信頼関係が築けないのに、生徒や実習生との信頼関係を築けるわけがない。

 今回は、患者との信頼関係を築く重要性と、その方法について書きたいと思う。

なぜ信頼関係ありきなのか?

 何故我々は患者と信頼関係を築かなければいけないのだろうか。

 そんなこと当たり前過ぎて、逆に考えたこともないかもしれない。でも、一度考えてほしい。

 我々は何故患者と信頼関係を築くべきなのか。

 それは、患者のリハビリテーションや各種訓練への不安を取り除く、あなたに絶対の信頼を置き、意欲的にリハビリテーションに取り組む為の土台だからだとボクは考えている。

 例えば脳卒中の患者は麻痺側に荷重することが困難である。機能的に困難な場合は、そこに対してアプローチしていく必要がある。しかし、機能的困難さ以上に心理的困難さも抱えているのが脳卒中後の患者である。

 怖い、痛いかもしれない、不安だという気持ちがある患者に対して、こいつの言うことは本当か?という疑念があれば、それはたちまち身体に現れる。

 信頼関係がない中での麻痺側への荷重、寝返りは、機能的には起こっていない痛みを引き起こし、連合反応を誘発するかもしれない。そして、患者は「やっぱりダメだった」と負の感情を強化させるだろう。

 信頼関係があるから麻痺側に対して積極的になれるのである。

信頼関係を築く方法

 あなたにとって信頼をおける友人というのは何人くらい居るだろうか?

 2〜3人という人が多いのではないだろうか?ボクも例外に漏れずそんな程度である。

 心から気を許せる友人など殆ど居ない。しかし、心配しなくても良い。大半の人がそうなのだから。

 もちろん例外に漏れず、患者も生徒も実習生もそんなものである。つまり、人が他人を信頼するというのはそれくらい難しいものなのである。

 しかし、セラピストは患者や生徒や実習生からの信頼を勝ち取らなければならない。

 どうすれば良いだろうか。以下に解説しよう。

信頼を勝ち取る条件

 信用と信頼はどう違うのか?

 まずはその理解をしなければいけないと思う。

 信用とは、金融機関が顧客に対して例えば融資を行う際に見るものである。赤字企業には融資しない。つまり、信用とはその人の過去を見て判断するものである。

 しかし、患者はボク達の過去を知らないわけだから信用はしてくれない。信用は患者との関係性において徐々につけていくものである。

 では、信頼とは何か?

 信頼とは、その名の通り他人を信じ、頼ることである。『この人なら大丈夫かも!』と思える状態だ。

 しかし、患者は僕達のことを知らない。どうやって信頼を勝ち取れば良いか?

 信頼を勝ち取る条件は1つ、コミュニケーションを取ることである。

信頼を勝ち取るコミュニケーション

 では、どのようなコミュニケーションが信頼を勝ち取るのだろうか。以下に2つのポイントをお伝えしよう。

1.相手から話を聞き出すこと

 ポイントの1つ目は、いかに相手から言葉を引き出すか?にかかっている。相手は自分の事をより沢山話せた相手には信頼を置くという心理的特徴がある。上辺だけの差し障りの無い話だけしか聞かない相手に信頼を寄せることはない。

 『傾聴』という言葉を聞いたことがあるだろうが、実際にただ聞くだけではない。相手からいかに沢山の言葉を引き出すか?をポイントにしてみよう。

 誰も知らない患者の秘密を知れるレベルまで聞き出す能力を高める事が信頼を勝ち取る上では重要だ。

2.話す内容よりも見た目と話し方

 次にあなたが話す事について考えてみよう。

 コミュニケーションは視覚情報・聴覚情報・言語情報(話の内容)の三種類から構成される。

 そして、他者に与える影響力は視覚情報:聴覚情報:言語情報=55:38:7の割合であると言われている。(参考:メラビアンの法則 wikiより)

 つまり、あなたが何を話そうが患者やその家族には内容は7%しか残っておらず、あなたの身なりや話し方が93%を占めているのだ。

 あなたが患者やその家族から信頼を勝ち取るためには、身なりを整え、丁寧でわかりやすい話し方を心がけることが重要なのである。

まとめ

 あなたは患者との初回面談のトークを聞き直したことはあるだろうか?

 あるいは、上司に入ってもらって指導を仰いだことがあうだろうか?大きな病院ならあるかもしれないが、小さな病院や施設では入職早々「勝手にやってね状態」であるところが多いのではないだろうか。

 まずはご自身のトークを聞き直してみてほしい。

 心地の良い、スムーズなトークになっているか。声のトーンは?声の大きさは?間のとり方は?自分が話すばかりではなく聞いているか?相手からしっかりと話しを引き出せているか?

 これらが患者からの信頼を勝ち得るために非常に重要なポイントである。

 是非意識して実践してみてほしい。
 

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