心理・コミュニケーション

理学療法士・作業療法士に知っておいてほしい患者の触り方

 我々理学療法士・作業療法士は患者に触ることが必要とされる。

 つまり、その触り方によってセラピー効果が増減すると言っても過言ではないだろう。

 あなたのそのタッチが患者を不快にさせていたとしたらセラピー効果は半減してしまうかもしれない。

 しかし、ボクも講習会や臨床の現場で多くのセラピストに触られた経験があるが、気をつけて触っているなぁと感じることは殆ど無い。

 逆にお前には触られたくないとさえ思う場合もある。

 そこで、今回は理学療法士・作業療法士の為の『触り方』について書きたいと思う。

美容師に学べ

 ボクは幸いにも養成校時代、触り方に対して非常に厳しい目を持った恩師に出会っている。

 それ以降、患者に触る際には最大の注意を払っている。

 痛みが出るなど論外、心地よさを提供できる触り方を常々研究してきた。そして、今では無意識的に心地よい触り方ができるようになっている。

 その恩師が当時言っておられたのが、『美容師に学べ!』である。

 美容師は頭の支え方、頭の洗い方が洗練されている。さすがプロだ。また、下手くそとプロの差が歴然としている。

 今ボクがお世話になっている美容師は一級品の触り方をする。毎日この人に頭を洗ってほしいとさえ思う。カットやカラーの腕も一級品だが、ボクの美容室へ行く目的の一番は頭を洗ってもうらことだったりする。

 できる美容師は強引には決して触れない。固定している手も動かしている手も最大限の配慮がなされている。

 しかもボクの担当美容師は長いネイルをしているのにも関わらず、爪が一切触れない。ボク達は常に爪は短く清潔に保つことが必須だが、仮にネイルをしていても患者を傷つけないレベルの触り方ができるようにならなければいけないのだ。

上手に触るために

 では、患者にとって心地よい触れ方とはどのようなものなのだろうか。

 以下にボクが10年以上気をつけてきたポイントを列挙する。

指先を立てない

 これは多くの方が意識していると思うが、できている人は少ないように思う。特に重たい足などを触る時にグッと指先に力が入っている場合があるのではないだろうか。

 人間はその構造上、どうしても指に力が入りやすくなっている。だが、そこに力が入ってしまうと心地の良い触れ方にはならない。

 意識のポイントは極力指の関節は曲げないということである。

 MP関節だけを曲げて使ういわゆる虫様筋握りだ。

f:id:p-therapy:20150708124650j:plain

 場合によっては親指を添える場合もあるかもしれない。

f:id:p-therapy:20150708124724j:plain

 是非とも注意して頂きたい。

点ではなく面で触れる

 指先を立てないという部分とも被るが患者を支えようとする時に点(指先)で支えようとするとどうしても指先に力が入ってします。

 なので、面で支えるという心がけをしてほしい。

 上述した虫様筋握りを使うと上手く面で支えられる。

手で保とうとしない

 これはボクもまだまだ出来ていないかもしれないが、自戒の念も込めて書いておく。

 患者の腕や足を支える時、どうしても手の力で保とうとしてしまう。すると、筋連鎖が指先に起こり、指先に力が入ってします。

 手に力を入れるのではなく、肩甲帯・体幹(腹筋)で支えるイメージを持ってほしい。

 これはセラピストの健康状態を保つためにも重要である。より少ないパワーで必要なパワーを発揮する方が疲労が起こりにくい。

 疲労すると、パフォーマンスが低下するので治療効果にも影響が出る。

 我々は極力大きな筋肉を使って、患者を支えなければならない。手にグッと力を入れて支えたり、抵抗を加えたりするのではなく、セラピストの体幹や重心移動で支えるイメージを持って頂きたい。

手の管理をしっかりする

 爪も含めて、セラピストは手の健康に十分配慮する必要がある。

 手がカサカサだったり、汚れていたりすると患者には不快な刺激として伝わるかもしれない。

 また、手汗や手の匂いにも十分配慮する必要があるだろう。

 たばこを吸ったままの指先で患者に触るなんてもってのほかである。臭い。

 セラピストは常に手を管理しておく必要がある。

まとめ

 とある研修会で出会った理学療法士はボクの顔やら首付近をペタペタと無遠慮に触っていた。まぁ、ボクだからかと思っていたが、患者にもそうしていた。

 これはやっぱり意識を変えないと治らないだろうなぁと思い、そのセラピストにはこそっとお伝えしておいた。

 特に顔面や頭頚部を触れる際、患者はそれに敏感に反応する。手汗や臭いについても足先を触っている時には気にならなくても、顔付近に触れればそれを敏感に察知する。

 セラピストは患者が触って欲しい所に触れなければならないし、触ってほしくない所を触らなければならないのであれば許可をとる必要があることも合わせて覚えておいてほしい。

 これからのセラピストの触り方が良くなっていくことを期待している。

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします