評価と治療

理学・作業療法士が足底に対して治療を行う理由と手法

 あなたは患者の足底の評価をしっかりとしているだろうか?あまり見る機会がない人も多いのではないかと思う。

 しかし、特に坐位や立位、歩行においては足底からの感覚入力は非常に大切な合図となる。

 例えば片脚立位において、開眼であれば資格情報を元に長く立てる人も多いが、閉眼にて行い資格情報を遮断すると一気にやりにくくなる。

 もちろん前庭感覚も必要となるが、足底からの情報を元に下肢の固有感覚を研ぎ澄まさなければ閉眼での片脚立位は難しい。

 それほど重要な部分であるということは分かって頂けるのではないだろうか。

 今回は、我々理学療法士・作業療法士が足裏に対するセラピーの方法について書きたいと思う。

足底の評価

 足底の状態によって患者の坐位・立位、歩行のしやすさが変わるというのは分かって頂けたかと思う。

 では、どのような評価を行えば良いかだ。

アーチの評価

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 人間には上図のように3つのアーチがあり、荷重点はそのアーチの起点である3点である。

 この3点にバランスよく荷重できているかどうか?というのが1つの評価ポイントである。この3点に正しく感覚入力できていなければ坐位や立位が上手くとれず、歩行がおぼつかなくなる。

 また、アーチの形である。このアーチがしっかり構成されていない状態の代表例が偏平足だ。アーチがないことで、足底筋が上手く働かず床反力を上手く吸収できなくなり痛みが生じる。

 偏平足とまでいかなくてもアーチが崩れ足底筋が上手に働いていないケースは多い。O脚やX脚になっている患者や外反母趾のある患者は大体アーチが崩れている。

舟状骨の位置の評価

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 アーチの部分とも付随するが、この舟状骨の位置は1つの評価ポイントとなる。

 立位時の人の重心点はこの舟状骨に下りてくる。舟状骨が図のような位置でしっかりと保持されているということは筋活動が起こっている証拠である。

 しかし周囲の筋肉が上手く働いていないと、舟状骨の位置が下へ下がってしまうのだ。

 舟状骨の位置が下がると重心を支えることが難しく姿勢や歩行に影響を与える。足周囲の筋活動を活性化させることで重心を支えたり、床反力を吸収できたりするのだ。

足底へのアプローチ

 では、問題を抱えた足底に対してどのようなアプローチを行えばいいだろうか。

 以下に手順を解説する。

  1. 背臥位になり膝を立てる(フックライイング)。膝と踵のラインが床から垂直になるように注意する。
  2. 母趾球で床を押すように力を入れる。
  3. 小趾球で床を押すように力を入れる。
  4. 踵で床を押すように力を入れる。
  5. その3点で同時に床を押すように力を入れる。
  6. 2~5を各5秒ずつ、3〜5回繰り返す。

 坐位や立位で行う方がより実生活に即した訓練になるかもしれないが、抗重力姿勢になるため他に気を取られる場合もあるだろうから背臥位から行うと良いだろう。

 その後、坐位で、立位でと段階づけて行えば良い。

まとめ

 片麻痺患者の麻痺側などに行っても簡単には反応が得られないかもしれない。だが、セラピー前と後では確実に立位のしやすさが変わる。

 これは騙されたと思って一度試してほしい。

 この際注意してほしいのは患者に裸足で行ってもらうことだ。

 靴下や靴を履いていると感覚入力がしっかり得られない場合がある。

 片麻痺などで膝や股関節に可動域制限がある場合は、足底板などを用いて膝と踵のラインが床に対して垂直になるようにする配慮も忘れず行ってほしい。

 垂直にすることが正しい運動学習を促すことに繋がるからだ。

 是非とも現場で試してみて、感想をお聞かせ願いたい。

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