評価と治療

理学・作業療法士が治療計画を立てる前に行うべき2つの事

 我々セラピストが治療計画前に行うべきこと。それは評価である。当然だ。

 しかし、その評価がしっかりできていない…、というか不十分であるケースが多いのではないかと思っている。

 ICF(International Classification of Functioning, Disability and Health:国際生活機能分類)に基き、患者の参加制約は何か?活動制限は何か?その原因となる、身体機能・構造レベルの問題とはなにか?

 また関連する環境因子、個人因子はないか?

 この辺は学生でもできる内容だ。今回、問題にしているのはその先である。

 これら評価した内容を元に我々は目標を設定し、患者と共有する。そして、その目標に向かって段階を踏み達成の援助をしていく。

 そう、この目標設定と治療の間にやらなければいけないことがあるのだ。そして、この大切な2つの作業が忘れ去られがちなことを今回は問題にしている。

1.作業分析

 1つ目が作業分析である。

 理学療法士の方は分からないが、少なくとも作業療法士は学生時代に習ったことのある言葉であろう。

 患者の主訴が「靴下を自分で履けるようになりたい」だったとしよう。

 では、靴下を履くとはどういう動作か?というのを分析するのが作業分析である。

 例えば椅子に座った状態で足を挙げて履くのか?それとも足に身体を近づけて履くのか?という大きく分けて二通りの方法があると思うが、あなたはどっちを選択するだろうか?そして、その選択の明確な基準はお持ちだろうか?

 この基準が欠けていたら患者に対して大きな負担をかける可能性があるし、治療の意味が全くなくなってしまうこともある。間違った方法をいくら練習しても無意味だからだ。

 あなたは、明確に作業分析し患者にとってベストな方法を選択しなければならない。

2.動作分析

 2つ目が動作分析だ。

 動作分析は評価の際にもされているとは思う。

 異常な動作パターンや、やりにくい動き、歩き方や作業の仕方など既にチェック済みである。

 ボクがここでいう動作分析とは、目標とする作業における効率的で機能的な動作とは?という部分を分析することである。

 作業分析の段階で、患者にとって効率的な方法を分析し、既にわかっているはずである。その方法論を持って、どのように身体を動かせば効率的で機能的な方法(且つ安全に)で動作を完了させられるか?を分析するための動作分析だ。

 先ほどの靴下を履くという動作を見てみよう。例えば身体を足元に持って行って履く場合にしよう。

 坐位の状態で運動を始める時まずはじめに働くのは腹筋群である。そして、骨盤が前傾(股関節が屈曲)しエンドフィールを迎えた時点で骨盤の位置を固定し、腰椎が屈曲(後湾)しはじめる。そして、目的の位置まで辿り着いたら脊柱を固定して肩甲帯が前方に突出、その後、肩、肘、手と順番に動いていく。

 その一連の流れを知っておかないと患者のどこに問題が起こっているかわからない。まぁ、大半の患者はしょっぱなの腹筋が働かず、骨盤が後傾していくところから間違っているケースが大半なのだが。

 この動作分析を怠った場合、我々は患者に非効率的で、非機能的で、危険な方法を教えてしまうかもしれない。

 患者にとってベストな動き方を伝えられるようにこの工程はなくせないのだ。

まとめ

 いかがだっただろう?

 そこまで詳細にしていなかった…。という方が多いのではないだろうか。

 日々、流れるように仕事をして、様々な作業がルーティン化している日常の業務の中でここまでの内容を考えられるセラピストが居ないのは仕方が無いことだと思う。

 しかし、患者にとっては自分の大切な身体を預けた人間であるということを忘れてはいけない。

 あなたの怠慢が、患者の将来に関わることだってあるのだ。

 是非今一度ご自身の治療プロセスを見なおしてみてほしい。

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