卒後教育

理学・作業療法士はもっとバイオメカニクスを学ぼう!

 先日2冊の本を購入して流し読みした。

 その2冊はバイオメカニクスに関する以下の書籍だ。

姿勢アセスメント―セラピストのためのハンズ・オンガイド

姿勢アセスメント―セラピストのためのハンズ・オンガイド

 こちらは日本語訳が微妙だが姿勢評価に関する詳細が学べる。

動作分析 臨床活用講座―バイオメカニクスに基づく臨床推論の実践

動作分析 臨床活用講座―バイオメカニクスに基づく臨床推論の実践

 こちらは、基本動作を中心とした動作分析の視点が学べる。写真や図が多くわかりやすい。

 タイトルでは、偉そうにもっと学べと言っているが、ボク自身まだまだ学びが浅い。来月もバイオメカニクスに関する書籍を購入する予定にしている。

 今回は、何故バイオメカニクスを学ぶべきか?についてお伝えすることで、読者の理学療法士・作業療法士の評価・治療の視点が広がれば幸いかと思う。

バイオメカニクスとは?

 そもそもバイオメカニクスとは何か?wikiでは以下のように解説されている。

  生物の構造や運動を力学的に探求したり、その結果を応用することを目的とした学問である。

 我々は人間という生物の構造や運動に対してアプローチしているわけだから、これを学ぶのは当然だろう。

 日本語では「生体力学」だ。

 書籍を検索する際には「バイオメカニクス」でも「生体力学」でも検索してみるといい。違った種類の本が出てくるだろう。

バイオメカニクスで何がわかるか?

 では、そのバイオメカニクスを学ぶと何が分かるのか?理学療法士・作業療法士にとってどのようなメリットがあるだろうか。

 それは人間の運動が詳細に分析できるようになるということだ。

 あなたは今どのレベルで患者の運動を評価出来ているだろうか?

 例えば歩行。立脚後期の〇〇が問題。では、それが何故問題か?どのように問題か?どうすれば改善できるか?

 そのヒントを与えてくれるのがバイオメカニクスだ。

 バイオメカニクスは、人間の運動の基準を教えてくれる。基準から外れた場合を異常というのかもしれないが、バイオメカニクス的な基準に合わせるために学べというのではない。

 異常な運動が、バイオメカニクスな基準に沿う運動に変化した場合、その患者のQOLが上がるのであればアプローチすべきだということだ。しかし、バイオメカニクス的な基準を知らなければアプローチできない。

 だから、バイオメカニクスの知識は重要なのだ。

異常運動パターンの問題点

 異常な歩行パターンを呈している患者が居たとしよう。何が問題なのか?

 歩行スピードが遅いことが問題かもしれない、転倒のリスクが高いことが問題かもしれない。しかし、安全に健常者と遜色ないスピードで歩行できていたらどうだろう?

 健常者と遜色ないとはいえなくても、その歩行に患者が満足していたらどうだろう。別に問題ではない。少なくともボクはそう思う。

 では患者が満足していたら、異常動作パターンは放置してもいいのか?

 答えは放置してもいいが、リスクに関するインフォームド・コンセント(説明と同意)が取れているかどうかが重要なポイントとなる。

 異常歩行パターンはバイオメカニクス的基準に当てはまる歩行とくらべて腰痛や肩こりなどの症状が大きくなる可能性が高い。つまり、他の病気になる可能性が高くなるのだ。その点を踏まえた上で患者が納得しているなら放置してもいいだろう。

 ※ここでいう放置しても良いというのは、時間的制約の中での話である。患者一人に当てられるリハビリの時間は限られている。その中で優先すべき項目と優先しなくても良い項目があり、患者がリスクについて理解し、それよりも優先したい事項があるなら放置しても良いという意味合いである。

バイオメカニクスを治療に活かす!

 先ほども伝えたように、バイオメカニクスを知ると人間の動作の基準が分かるようになる。

 何故我々はこのような運動を行うのか?が分かるようになる。

 例えば脳卒中後遺症の場合、片麻痺という後遺症が出る場合が多いが、この病態の意味がわかるようになる。

 片麻痺の病態とは、半身の運動学習が無くなった状態に等しい。つまり、今まで(無意識的に)学んできた動作の方法が赤子レベルに戻ってしまったということだ。

 この際のリハビリの目的は運動の再学習という形になる。

 では、どのような形で運動を再学習すればいいか?それはバイオメカニクスに沿った形で行うことになる。

 バイオメカニクスを治療に活かすとは、運動学習の過程の指標になるということである。

まとめ

 このように評価においても、治療においてもバイオメカニクスの知識は重要な指標となる。

 また、ボクがやっている整体院の治療法もバイオメカニクスをベースに作っている。

 知り合う理学療法士・作業療法士によく聞かれるのが、「どこで勉強したんですか?」という質問だ。あえて言うなら養成校ですと答えている。我々は国家資格取得のために養成校にてバイオメカニクスを学んでいるからだ。

 バイオメカニクスは知れば知るほど様々なことに応用ができる。逆に知らなければ患者に応じた治療などできない。

 理学療法士・作業療法士に学んでほしい学問優先順位一位はバイオメカニクスだと思う。

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