哲学・科学・理論
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理学・作業療法士が知っておくべき、科学的であるということ

 EBPT(エビンデンスベースド理学療法)やEBOT(エビデンスベースド作業療法)という言葉が出てきて久しい。

 あなたの治療には科学的明証性があるのかを明確にした上で治療に当たりましょう。科学的明証性が明らかでない治療で効果があるなら、エビデンスを取り研究しましょう。

 そういった考え方を理学療法士・作業療法士に深く考えさせる言葉である。これは非常に重要なことだ。

 先日、『哲学が大切だからと言って科学を放棄してはいけませんよ…。』にて科学を学ぶことの重要性について触れた。

 この記事の結びで、我々は養成校で科学を学ばないから、科学を知らずに、科学を使っていることの問題提起をさせて頂いた。

 我々は科学を学ばずに科学的な治療を求められているのだ。髪の毛の切り方を学ばない美容師と同じである。これは問題でしか無い。

 今回は、科学と科学でないものの差異について触れたいと思う。

科学的なものとそうでないものと、科学っぽいもの

 世の中には科学的なものとそうでないもの以外に、科学っぽいものが存在している。

 そして、私達が問題視しなければならないのは、科学っぽいものである。

 いわゆる疑似科学と言われるものである。

 では、どのようなものが科学っぽいものとして扱われているのだろうか。

擬似科学とはどんなものか?

 例えば『電子書籍』の普及と『日本高齢化率』の増加を見てみよう。

 電子書籍の売上推移は下表の通り。

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 そして、日本の高齢化率は以下の通りになっている。

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 電子書籍がはじめて発売された2000年頃から電子書籍は急激にその売上を増やしている。そして、その2000年ころから急激に日本の高齢化が進んでいる。

 だから、高齢者が電子書籍を買っている。とも考えられる。では実際はどうか。

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 実際は高齢者はほとんど買っていない。ま、誰もが想像できる当然のことだ。

 この例においては、大方の予測が電子書籍の売上と高齢化率の増加は、相関しているが、因果関係はないと分かるだろう。

 しかし、例えば電子書籍の普及ととある病気の増加率が相関していたらどうだろうか?

 電子書籍が普及しはじめた頃から、〇〇病が増えた。だから電子書籍が原因だ!と言われたら先ほどの例よりも信じる人が出てきそうである。

 だが、これらの相関は因果関係の証明ではない。

 しかし、因果関係は技術の問題や倫理の問題で確認できない場合がある。。

 例えば、飛行機が飛ぶメカニズムははっきりとわかっていないが科学的に落ちないとわかっている。

 それは何故か。答えは『再現性』があるからだ。

 こうすればこうなる。何故かは分からないが、こうすれば100%こういう結果が出る。これは再現性があるので科学的である。

 だから我々はそれが科学なのか、科学っぽいものなのかを調べるためには『因果関係の証明をされているか』『再現性があるか』を調べればいいのである。

EBPTやEBOTを実践するために

 では、我々がエビデンスベースドの治療を提供する為にはどうすれば良いか?

 因果関係が明確な治療を行ったり、再現性が明確な治療を行えばいい。

 また、研究においては我々は科学者ではないため因果関係の証明をするのは非常に難しい。(最近では測定機器の進化によって不可能ではなくなってきたが、難しいことは難しい。)

 我々は効果を証明したい治療において二重盲検試験を行い、優位な差を得ると共に、それに再現性があることを証明すれば良いのだ。

 その為には各症例に対しての症例研究は日々行わなければいけないだろう。

まとめ

 我々は決して擬似科学やトンデモ医学に踊らされてはいけない。

 だから、最低限の科学の知識は必要である。

 科学を学ぶ最初の段階として、まずこの科学っぽいものと科学を見極める目から育んでみてはいかがだろうか。

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