雑記
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私が作業療法士としての治療を放棄した理由とその後

 私は作業療法士になり最初の2年間、某重症心身障害児・者施設に勤務した。入職して最初に取り組んだのが重症心身障害児・者に対する作業療法の効果について研究することだった。

 過去の日本における重症心身障害児・者に対する作業療法の効果に関する文献全てを集め、メタ・アナリシスにて研究した結果、作業療法に明確な効果はないという結果になった。

 この研究はもちろん未発表である。恐らく査読で通らないだろう。笑 当然である。私が査読担当なら通さない。

 しかし、この時から私は自分の作業療法士としての生き方を考え始めていた。本当にこのままで良いのだろうか?と。

 これを身体障害分野、精神障害分野に置き換えてみたらどうなるかわからない。が、しかしこれら業界において、純粋な比較研究は不可能だと思っている。

 治療法Aに効果があるかどうかは治療法Bと比較すれば良いかもしれないが、治療効果があるかないか?に関しては『治療群』と『未治療群』でしか比較できないからである。これは研究倫理に反する研究であることは言うまでもない。

 そして、私が至った結論は『予防こそ最大の治療』であるということだ。

治療を放棄

 治療を放棄するというとこれまた物議を醸しそうだが、実際に効果的な治療が行えていなければそれは放棄しているのも同じである。

 治せないのに治せると考え行う治療はもはや詐欺とも言えるだろう。あなたは自分の治療に対してどれだけ責任をおっているだろうか。

 責任を放棄すれば、それっぽい事をいくらかやって満足してもらうことに満足することはできるだろう。しかし、私は自分が担当する患者に対し責任を放棄することはできなかった。

 その結果、治療を放棄することにした。

 しかし、これは全ての理学療法士や作業療法士に同調して欲しいとは思わない。

 医学の発展に伴い、リハビリテーションの効果というものは今後更に上がってくるだろうとも思うからである。そこを追求し、常に最新のリハビリを患者に提供すること、あるいは研究し続けることは重要であるとも考える。

 多くの方はその方面で精進されていると思う。(まぁ、反対にぬるま湯で責任を完全に放棄している人も多いと思うが。)

 それでも、中には私のような変わり者が、病気になる前に予防した方が良いのではないか?予防という業界において理学療法士・作業療法士はもっと活躍すべきではないか?と考え、行動を起こす者もいると思う。

 少なくとも私の進むべき道はそっちだと思った。

予防の業界で働くということ

 私は治療を放棄してから、数年間予防というものと向き合い患者に接してきた。既に起こっている病気や障害を見るのではなく、これからの人生において更なる病気や障害を負わない為にどうすれば良いかを考えていたのだ。

 そして、起業の準備をした。

 保険がきく現場と違い、予防における業界では全てが自費だ。お客の満足は全て売上で判断される。

 ぬるま湯に浸かっている理学療法士・作業療法士にはかなり厳しい業界であることは言うまでもない。

 しかし、私はその厳しさを乗り越え、現在では病院や施設で働く理学療法士や作業療法士の一般的な給料の3倍以上の給料を取っている。そして、私は更に給料を上げていくつもりだ。

 理由は簡単で私の給料が上がらなければ、日本における予防への意識が伸びないからだ。

 私は予防の大切さを伝えた数だけ、売上が上がると信じているから、自分の給料を上げる事に対して貪欲であり、一心不乱になれるのだ。

あなたはどっちのセラピストを目指すか?

 治療を放棄せず、貪欲に効果を追求する行為も、予防を追求する行為も、どちらも貴重で尊いことだと思う。

 私が苛立ちを隠せないのは責任も治療も放棄している輩である。

 理学療法士・作業療法士の養成校が乱立し、激増する現在、益々このぬるま湯セラピストは増えていくだろう。私が作業療法士になった10年以上前に既に沢山居たのだからその増え方は倍々で増えていっていると思われる。

 しかし、このブログの読者にはそのような人生を歩んでほしくない。

 だから、治療を続けるなら責任を持って行動する、治療を放棄するなら別の手立て(今のところ私はこれを予防だと思っている)を考える。

 そのどちらかの道をできるだけ早いタイミングで決定して欲しい。

 そして、もし予防を志すのであれば共に手を取り合い切磋琢磨していきたいと心から望んでいる。

まとめ

 将来数多くの要介護者が生まれるだろう。その将来の患者の為に、今を使うことは間違ってはいない。

 しかし、私はその罪悪感を拭えなかった単なる弱虫である。

 だが、未来の患者を増やさない事も重要な理学療法士・作業療法士の役割ではないだろうか。

 現状まだまだ少ない予防リハビリテーションを私は今後のワークライフにおいて確立し、広げていきたいと思っている。

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