起業・経営

理学・作業療法士(PT/OT)の開業について、今後の課題とは

 私は作業療法士(以下、OT)であり、開業している。

 昨年11月27日、厚生労働省医政局から以下のような通知が送られていることをご存知だろうか。

理学療法士が、介護予防事業等において、身体に障害のない者に対して、転倒防止の指 導等の診療の補助に該当しない範囲の業務を行うことがあるが、このように理学療法以外 の業務を行う時であっても、「理学療法士」という名称を使用することは何ら問題がないこ と。また、このような診療の補助に該当しない範囲の業務を行う時は、医師の指示は不要 であること。

  つまり、予防範疇の業務を行う時にも理学療法士(以下、PT)の名称を使っても良いと通達されたということである。最近流行りの整体業務で開業し行う施術をPTが行う整体と言っても良いということになる。

 これは開業しているPTにとっては大きなメリットになるだろう。

 しかし、これに対してOTに関する記述はどこにもない。おいおい、OT協会何やってんだよ。と思い、2015年度からOT協会へ入会し、何らかの変化をもたらせたらと思っている。

 さて、このような流れを受け、PT/OTが開業するということに対しての今後の課題を明確にしたいと思う。

開業すべきは予防領域

 予防領域に対しての医療従事者の参入はあまりにも少ないのが現状であり、且つ法整備も整っていない。

 上記の厚生労働省医生局からの通達に関しても、PTと名乗ることを認めているもののPTを行うことは認めていない。OTに関しては論外だ。

 これらの事を考えると、PT/OTの予防領域への職域の拡大を今後訴えていく必要があるだろう。私の業務はその活動だと思っている。

予防すべきこととは?

 では、どのような疾患に対してPT/OTの専門性を発揮し予防していけるだろうか。私は以下の4つに対してであると考える。

  • メタボリックシンドローム(特に糖尿病)
  • ロコモティブシンドローム(腰痛・肩こりもその前駆症状と捉える)
  • 認知症
  • うつ病

 これら疾患群の所謂予備軍の数はご存知だろうか?ググって頂ければすぐに出てくるので調べてみて頂きたい。

 途方もなく多い数で、認知症対策に関しては2015年度予算において国家予算を大幅に増加させている。

 そして、PT/OTはこれら疾患に対するエキスパートであるとも思っている。これら疾患は今後医療費を大きく切迫することが予想される疾患群であり、予防することは個々人はもちろん、国を助けることにも貢献できるだろう。

PT/OTの開業における今後の課題

 では、我々はこの予防領域での開業に関してどのような課題を抱えているだろうか。以下に論じたい。

一般認知度が低い

 最近になってPT/OTに関する認知度は上がってきた。高齢社会においてPT/OTと関わる若い世代が家族を通じて増えてきているからだと思う。

 しかし、まだまだ一般認知度は低いのではないか。例えばPTがあなたの腰痛を治します!と言ったところでPT?なにそれ?って思う人の方が多数派だろう。

 協会と個々人が協力して一般認知度を更に高めていく必要があるだろう。

職域が狭い

 PTにおいては、医師の指示の必要としない業務に関してもPTを名乗っていいとの通達がだされたが、PTが医師の指示の必要としない業務でPTをして良いとは言われていない。つまり、医療行為はしてはいけないのである。当然だ。

 つまり、治るとか、治すとか言ってはいけない。療法って言葉もグレーだ。

 我々が予防領域において活躍するためには、予備軍に対してもアプローチできるように職域を広げる必要が急務である。

経営の勉強をしていない

 高校を卒業して、専門学校や大学を出てPT/OTにストレートでなった者はその過程で経営に関する勉強を全くしていない。

 この領域に進出するのであれば養成校での経営の勉強は必須だ。

 例えば今後、予防領域でPT/OTが活躍するようになっても、そこに予算が組まれることは無いと思っておいた方が良いだろう。つまりは全て自費での対応になる。

 柔道整復師でさえ、自費領域(慰安目的のマッサージなど)に対しても不正保険請求をしないと経営が立ち行かない方も少なくない。

 今まで自費でサービスを提供するという歴史のないPT/OTに対してこの分野への教育はこれから必須だろうと思っている。

まとめ

 このように、PT/OTが開業することに対して課題は山積である。

 ごく一部意識の高いものがひっそりと活躍しているのみだ。

 しかし、これからの日本の行末を考えると、この領域に対する法整備は必須であり、そこで活躍すべきはPT/OTであると確信している。

 我々が今こそ立ち上がらなければ、日本に明るい未来は訪れないのではないだろうか。

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